ハワイに会社をつくる魅力

 日本に居ながらにして会社をつくれる国は結構たくさんあります。
 有名なタックスヘイブン地域への会社設立を勧める声も多数あります。これらの地域は租税回避地で、税制上優遇されてはいますが、資産隠しなどの特別な目的がない限りあまりお薦めできません。タックスヘイブン地域の会社というだけで、多方面から悪いイメージを持たれてしまっているのが現状だからです。

 タックスヘイブン地域とは、ヨーロッパ(ジャージー島・マン島・スイスなど)やカリブ海(バージン諸島・ケイマン諸島・バハマなど)に代表される、国土が狭く人口も少なく、これといった産業もない島国や小国のことです。
 これらの島国や小国は、そのままでは国益が発生しないので国が成り立たなくなってしまいます。そこで海外からの投資や資金運用に関する税金をなくしたり規制を緩和して、節税目的の法人や金融機関などを誘致することによりお金を集めることにしました。
 こうすることにより、進出してくる金融業者や法人がらみで、建設業をはじめとした国内の産業が活性化します。さらには国内に新しい雇用が生じます。つまり、海外企業から直接の税金は取れなくても、そのことにより発生した国内の産業や雇用から税収が生まれるというわけです。
 そんないいシステムがあるのならば、他国の企業や個人は、何も自国に法人をつくったり、自国の金融機関を利用しなくても、タックスヘイブン地域を利用したくなるものですね。タックスヘイブン地域の国も、他国にどんどん宣伝をかければいいではないですか。
 しかしそれでは、タックスヘイブン地域以外の国はたまったものではありません。自国の企業やお金がみんな逃げていってしまうのですから。そこで各国では、自国の企業や個人のタックスヘイブン地域の利用に相当な神経を使い、規制をかけています。つまり、タックスヘイブン地域とは、微妙なバランスの上で成り立っているのです。

 租税回避などが目的でタックスヘイブン地域にペーパーカンパニーをつくるのならともかく、海外法人を利用・運用しようと思うなら、イメージや地の利が悪いタックスヘイブン地域での設立はあまりお薦めはできません。
 タックスヘイブン地域でなくても会社をつくれる国はたくさんありますが、そんな中でも私は迷うことなくアメリカ合衆国をお薦めします。
 アメリカはいろいろな意味で世界ナンバーワンの国です。政情の安定感や会社の信頼度、特許関係の訴訟などでも強さを発揮します。また扱う通貨の単位も馴染みやすい世界基軸通貨のドルですし、日本とも親交の強い国なので何かと安心です。

 アメリカ合衆国に正式な株式会社をつくると、○○○○ Inc.などという商号ができます。最近はカタカナの社名が多いから、「デジタルポイント合資会社」や「デジタルポイント有限会社」よりも「デジタルポイント・インコーポレイテッド」のほうが馴染みやすいかもしれません。
 しかもこの海外法人は、「外国会社の営業所登記」という方法で、日本の法務局に「法人」としての登記ができます(登録免許税9万円)。内国の法人と同等の法人格を持つことになるのです。

 アメリカにつくった会社を、ただのペーパーカンパニーとして運用するのなら、どこで設立しても同じようなものです。設立上・税務上優遇されている、デラウエア州やネバダ州で設立するのが一番いいのかもしれません。
しかし、アメリカの会社を有効に使ってビジネスをしようと考えたら、ハワイ州での設立はとてもお薦めです。

 他の州に比べてハワイ州をお薦めする理由は次のとおりです。

■ ハワイはアメリカ合衆国の50番目の州
ハワイと言ってもアメリカ合衆国のりっぱなひとつの州です。ここに設立された法人は正真正銘のアメリカ合衆国法人です。
 
■ 成田から約6〜8時間、日本から一番近いアメリカである
ビジネスの展開次第では、現地に飛ぶことだってあるでしょう。日本から近いと何かと便利です。また、渡航費用も安い。
 
■ 日本人がとても多く、たいていのところで日本語が通用する
ハワイは日本人観光客が多いことでも有名ですが、現地で働いていたり住んでいる日本人が多いのでも有名。ワイキキを中心としたホノルルは、狭い地域に産業が集中しています。この狭い地域にうじゃうじゃと日本人がいるのです。日系の企業やお店も多く、ほとんどの場所で片言の日本語が通用します。
空港やホテルや病院だけでなく、銀行や会計士や弁護士などにも日本人スタッフが多いので、ビジネス展開の上でも有利なのです。
 
■ ハワイを拠点にアメリカ各州で活動ができる
ハワイの本社を拠点に、アメリカ各州で事務所を開設してのビジネスも可能。この場合は各州で事業届けを出すだけでよいのです。
また、ハワイに法人を設立することで、ビザや永住権の取得の近道になります。ハワイでビザや永住権を取得して、アメリカ各州に長期滞在や住み着くこともできるのです。

 


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